建物のあることないこと
- スタッフブログ
木枯らしが吹いてくる季節となりましたね。
いよいよコートなんかもかわいいものが出てきたりして。。
私もコートとマフラーで完全防備!!です。
さて、突然ですが、
建築を目指す人は、やっぱり建築が好きな人です。
新しい建物が好みの方や、古い建物が好みの方、好みはそれぞれです。
ちなみに、私は造形美を感じにくいもので。。
最初はやっぱりヨーロッパの装飾や、豪華な造り、協会のステンドグラスなど、
ぱっと見てカッコイイ!と感じる国を羨ましく感じていました笑
日本の建築に興味を持ったのは、学生時代に行ったヨーロッパ旅行。
その現地で、ふと疑問。
日本人なのに、日本建築や文化のことどれだけ知っているの?
日本の美は世界で評価されているのに、何にも分からないってダメなんじゃない?
と。
日本建築を保存しようと寺院や昔の建物が残っている背景は、昔も同じ。
西洋建築を学びに行った方々が、西洋人に日本建築を聞かれ、答えられなかったのが始まりだと
大学の授業で習ったことを覚えています。(おそらく。。)
日本の事、どこまで知っていますか?
少しでも日本の昔の建物を見に京都など行かれるあなた!!
以前本で学んだ建築あれこれを少しご紹介します。
日本建築で茶室などは大きく分けて
「真」、「行」、「草」の3つに分けられるのをご存じでしたか??
真は、かっちりいていて、格式の高い方々が楽しまれる雰囲気
草は、その逆で遊び心が含まれていて、町人でも楽しめる雰囲気
行は難しいのですが、その中間となります。
じゃあ、具体的にどんなものなのか、基準は色々ありますが、
例えば屋根。
真:檜皮葺(ヒノキの樹皮を使って屋根を形成しています。)
格式のある神社の屋根にも使用されています。私の知っている所では、伊勢神宮や犬山の田県神社。
他にも、あると思います。
草:茅葺
こちらも伊勢神宮のとある所には使用されていますので、一度探してみてください。
町人にも親しみのある屋根葺きです。
他には石畳。
茶室へのアプローチの敷石にもちゃんと意味があるんですねー。
真:きれいな四角い石がきっちり敷き詰められている光景の敷石です。
格式が高い方が通られることが多いとも言われているとか。。
草:石に統一性はなく、大きなものから細かなものまであり、遊び心があるので、
依頼者の趣味によって、色々な形があります。そして、どんな方も格式関係なく、親しみやすいものです。
こちらも、行はその間で、きっちりした石と、不規則な石が混在したものです。
絵心のない私の絵ですが、何となく伝われば幸いです。
ちなみに桂離宮は有名ですが、そこに行くと、一通りこの石畳たちに会えます。
石に関しては特に専門の石師の方がいらっしゃったので、川のせせらぎの音さえも石の配置で
計算された一番良い音の位置に形の良い石を置いたそうです。職人ですねー。
他にも、日本建築はぱっと見ただけではわからない美学がたくさん含まれています。
今回は私が本で見た覚書きでしたが、他にも床柱、部屋の天井にも表れます。
深々と日本の奥ゆかしさや美徳を知ると、ただの古都巡りも楽しくなると思います。
細かなところに慎ましくある「お・も・て・な・し」は、古い建築に健在です。
そんなことを知りながら古都を歩くととても日本の品格を感じますねー。
少しでも建物に興味を持ってもらえたら嬉しいなと感じた市來崎でした。