「とんかつのたる蔵」さま
- スタッフブログ
こんにちは、設計部の松岡です。
すっかり肌寒くなり、そろそろ今年も残すところ・・・なんて言葉も出てたしまいますよね!
風邪などひかないようにしなければいけませんね。
さて、今回は少し個性的な店舗の着工~完成までをご紹介したいと思います。
このお店は数年前にお引渡しをした「とんかつのたる蔵」さまです。
一宮に住んでみえる方ならご存知のお店かと思います。
このお店は「味噌カツ」の専門店!
名古屋と言えば「味噌だががね!」であります。
この店舗の企画段階で「味噌カツ」を専門とし、特に「味噌」に強い拘りを持っておいででした。
つまり「味噌の拘り」を感じさせる店構えを!とご要望されていました。
店舗を設計デザインするに辺り、この最初の方向性が一番大切なパートとなります。
つまり、この店舗は何が売りなのか?どんな他店には無い特徴があるか、どんな客層を狙っているのか
の部分の事が設計や意匠に大きく影響していくのです。
今回、この店舗でのキーワードは「味噌」
私は味噌を「味噌の醸造蔵」とし、内部は味噌蔵を彷彿させる意匠構造とし、外部も蔵造りでポイントとして味噌を発酵させる「樽」をデザインに取り入れる事にしました。
どうせ樽を使うなら「本物の樽」を!しかも実際に使用していた樽を使ってみようと考えました。
では敷地の状態から見て行きましょう。
基礎工事を終えれば上棟です。
これが今回の目玉の本物の樽です!
横に写っている人物と比較するとその大きさが理解できますね!
知多にある樽の工場を訪ね、自分で気に入る樽を購入して来ました。
蔵造りに欠かせない「曲がり梁」を採用。 この梁は機械では仕口などの加工ができませんので職人さんが手堀で加工していきます。 曲がり具合、とても味わい深いですね!
樽をエントランスの両脇に据付、大きな屋根を掛けます。
樽の据付後、周囲を玉砂利で敷き詰める準備をしています。
こちらは、エントランスの正面の看板です。 これも実際に使用された樽底を使用!看板のベースとして良いアクセントになっていますね!
完成したエントランス横の待合スペース。 店内にも大きな樽を利用しインパクト有る内装を演出。
奥の座敷席です。
ここが味噌の醸造する蔵をイメージした店内です。 大きくな太い曲がり梁や、適度な使用感を演出するためエイジング塗装を施した店内は迫力がありますね!
これが外観です。 特に夜の外観がお勧めです。
今回は少し長編でまとめてみましたが如何でしたでしょうか?
味わい深い内装の仕上げなど、住宅でも採用出来そうな部分もあるかと思います。
シンプルなモダンなデザインも素敵ですが、このような無骨で温かみの有る味わい深い建物も面白いのではないでしょうか。
設計部 松岡でした。
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