巧の技を見学してきました(その参)
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こんにちは、広報の福永です。
今回の巧の技は前回までのお城の話から一気に時代が進み、大正時代の建築物をご紹介します。
見学してきたのは帝国ホテル中央玄関です。
アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト氏によって設計された帝国ホテルは昭和42年に閉鎖され、取り壊されましたが、玄関部分は博物館明治村に移築され、在りし日の姿を見学できます。
たくさんの明治時代の重要文化財が見学できる東海地方ではおなじみの明治村。(今回の記事は大正時代の建物とややこしいですが…)前回の犬山城といい、犬山市は他にもリトルワールドなど知識を増やせる場所が豊富にあり、魅力的な都市ですね。
そういえば不動産部の分譲住宅に犬山市の物件があったような…
犬山市 中道分譲 A棟
以上、強引な宣伝終わります。
前置きが長くなりましたが帝国ホテルの紹介に進みます。
明治村に入ってすぐ目に飛びこんで来る異質な外観。見た瞬間に引き込まれる不思議な魅力を感じます。明治村を一通り見学して、他の建築物と比べても色んな意味で浮いていて、圧倒的な存在感を誇っていました。
現在は自然に囲まれた環境での景観ですが、当時は東京の都心に建っていたそうですが、周囲の建物と調和がなされていたのか、気になります。
エントランスより内部に入ります。ホテルですのでまずフロントがお出迎え。入って最初に感じたのは天井の低さです。若干の圧迫感を感じますが、当時の日本人の平均身長は現代より低かったでしょうから、このくらいでも良いのでしょうか。
続いて印象的だったのは隅々に施された彫刻の数々。美しく繊細な幾何学的な模様が見られます。まるで古代遺跡に迷い込んだよう。夜には怖いくらいの異質な空間に変身しそう…探検したい。
煉瓦と大谷石がバランスよく構成されています。大谷石(火山灰や砂礫が凝固されたもの)は柔らかく加工がしやすい建材なので、細かい装飾にも向いているんですね。
二階からロビーを眺めます。三階まで続く吹き抜けが開放感を演出し、吹き抜けを中心に展開された空間は異なる天井高と床高により、視界に飽きを感じさせません。窓からの太陽光と照明が複雑な彫刻の凹凸と合わさり、明るく変化する空間が生まれていました。
一通り見学し再度外観を眺めます。左右対称の建物の中心に玄関、食堂、劇場が配置され、左右には客室がレイアウトされています。シンプルでありながら分かりやすく使いやすい。空間を広く明るく、そして立体的に魅せる工夫が随所に施されていました。
何年かぶりに訪れた明治村ですが、紹介しきれないほど数々の歴史的な建築物を見学できました。住まいに携わる仕事に就き、あらためて昔から続く知恵と工夫と経験が、現代の住宅にも活かされているんだなと勉強になりました。
企画開発 福永